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・高濃度フッ素入り歯磨き剤が向く人、向かない人🪥

 2017年、医薬部外品として、1500ppmほどの高濃度フッ化物を配合した歯磨き剤が市販できるようになりました。この歯磨き剤は歯周病や加齢の影響で起こりやすい「根面う蝕(歯根の虫歯)」の予防に向いています。根面う蝕は「大人のむし歯」とも呼ばれ、近年、増加傾向にあります。歯周病により、歯肉が下がると歯の根元(歯根部)が露出します。歯の上の部分(歯冠)は硬いエナメル質で覆われていますが、歯根部は薄いセメント質なのでむし歯菌の出す酸によって溶けやすいのです。

 一方、高濃度フッ素入り歯磨き剤を控えた方がいい人もいます。インプラント(チタン製)をいえている患者さんです。フッ素入りの歯磨き剤を使うとインプラントに腐食を生じる恐れがある、という研究報告があるからです。

 また、特殊な顆粒を含む歯磨き剤もインプラントを入れている患者さんには使用を控えたほうがいいでしょう。顆粒がインプラント周囲の歯肉溝に入り、炎症を引き起こすことが報告されています。

2025年08月29日