X線検査は歯槽骨の状態を見るために重要です。X線写真では骨の部分は白く写り、歯が失われている部分は黒く写ります。骨がどのくらい減っているかや残っていいる骨の形を見ると、歯周組織再生療法が必要かどうか、治療うの適応かどうかなどが判定できます。
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また、「根分岐部病変」といって歯の根の分岐部(奥歯などで根が二股、三股にわかれている部分)に歯周炎が発症している場合、解剖学的形態から、進行すると治療がさらに難しくなるので、このような部位は清掃をより厳密に行い、歯周病の進行を防がなければなりません。また、分岐部だけには限りませんが、歯髄に病変がある場合もX線画像場で骨が無くなっていることがあるので、根管治療(歯髄の病気があるときにおこなう治療)が必要になります。
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なお、歯科治療で使うX線撮影方法にはいくつか種類がありますが、中でも多く使用されるものが「パノラマX線撮影」と「デンタル(歯科用)X線撮影」です。
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パノラマX線は上下の顎の骨をふくめたすべての歯を撮影できるもので、親知らずの埋伏の状態など全体の様子がよくわかります。
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デンタルX線は一部にフォーカスして撮影したものです。一度に3本程度までの狭い範囲に限定されますが、その分、虫眼鏡で拡大したように歯槽骨や歯根の様子が細かくわかります。最近では、立体画像の構築ができるX線写真を撮影できる歯科用CTを使用しているところもあります。