非アルコール性脂肪肝炎「NASH」の原因
中高年に多い脂肪肝は中性脂肪が肝臓に多く蓄積される状態です。脂肪肝というと「アルコールの多飲」というイメージがありますが、最近、問題になっている「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」はお酒とは全く関係がなく、脂肪肝と診断される人の10~20%に見つかります。
NASHはすでに肝炎を起こしている状態で、治療せずに放置しておくと20~30%が肝硬変や肝がんに進行するといわれています。
このNASHを引き起こす危険因子として、歯周病菌の関与が明らかになってきました。横浜市立大学の研究によれば、NASHの患者群は健常な人に比べて歯周病のP.g菌の保菌率が高く、約50%にも及ぶことがわかったのです。そしてP.g菌が見つかったNASHの患者さんに歯周病の治療を受けてもらったところ、肝機能の悪化を示すALTとASTの数値が改善し、この研究結果はイギリスの学術誌にも発表され、注目されています。