・「歯周病菌が棲めない、歯周病菌を減らす」

 セルフ・ケアは食べかすや歯の汚れをきれいにするだけでなく、「口の中の細菌を取り除く」という意識を持って取り組むことが大事です。

 歯周病には生活習慣病であると同時に、歯周病菌が引き起こす細菌感染症という二つの側面があります。プラークの蓄積と歯肉組織の反応は、食生活の乱れや喫煙などの生活習慣が深くかかわっていますが、それだけで歯周病にはなりません。プラークを形成する歯周病菌によって発症するのです。つまり、どんなに鏡に映った歯が白くきれいに見えても、目に見えない歯周病菌がたくさん残っていたら、セルフ・ケアとしては、不十分です。

 ブラッシングを丁寧にやることはもちろん、目に見えない歯と歯の間のプラークを補助的清掃用具で清掃することをすすめるのもこのためです。洗口液を推奨するのはブラッシング後、口の中に残っている細菌を減らす効果が期待できるからです。

 次項からはセルフ・ケアの取り組み方の実際について、紹介します。「セルフ・ケアに自信がない」「これまでがんばってブラッシングをしていたけれど、効果があまりなかった」という人はこれを機に、正しい効果的なセルフ・ケアを知り、取り組んで欲しいと思います。

 なおブラッシングの方法をはじめ、セルフ・ケアのテクニック、補助具などの選び方、使い方などについては、かかりつけの歯科医院の指導を受けながら取り組むことをお勧めします。

2025年07月18日