歯周病がアルツハイマー病を悪化させる!?🤒

 歯周病が認知症の危険因子となる理由は、歯を失うことが大きいと言われてきました。しかし、アルツハイマー病に関しては歯周病が直接、影響を及ぼしている可能性が多くの研究で明らかになってきています。国立長寿医療センターと松本歯科大学の共同研究では、P.g菌を投与したアルツハイマー病のマウスの認知機能は、投与しなかった群に比べ、著しく低下したことが確認されました。さらに脳を調べると、アルツハイマー病の発症に関与しているアミロイドβタンパク(Aβ)の沈着の増加、炎症物質や歯周病菌など細菌が作る毒素の増加が確認されました。

 

 海外では、P.g菌が産生する「ジンジパイン」というタンパク質分解酵素を阻害することにより、神経の変性やアミロイドβタンパクの蓄積を減らす効果が報告されています。さらに、この阻害薬をアルツハイマー病の患者さんに投与する臨床試験がおこなわれています。今後の研究が期待されます。

 

2024年05月11日