「男性」の喫煙者は重度の歯周病にかかりやすい
「喫煙」は、歯周病を悪化させるリスク因子の一つです。国立がん研究センターが1164人(男性552人、女性612人)を対象に行った疫学調査で、「男性」は自らタバコを吸う人はもちろんのこと、人の煙を吸う「受動喫煙」でも歯周病のリスクが高まることが明らかになりました。
「男性」で「受動喫煙経験のない非喫煙者」をベースに比較したところ、「喫煙者」は約3.3倍、「家庭のみでの受動喫煙経験のある非喫煙者」では、3.1倍、「家庭および家庭以外の場所で受動喫煙のある非喫煙者」では約3.6倍、重度の歯周病になるリスクが高くなりました。
タバコのニコチンは歯周病を引き起こす歯周病菌の発育を促し、その病原性を高めます。受動喫煙者でも同様のメカニズムで歯周病の悪化に拍車をかけることが推察されます。
この研究では、女性の場合は受動喫煙と歯周病との間に関連がみられず、その理由は不明とされています。ただし受動喫煙は、心筋梗塞やぜんそく、早産など健康にさまざまな悪影響をおよぼすことは明らかです。男性女性問わず、タバコには注意をしてください。
(まとめ)
●喫煙者でなくても「受動喫煙」で、歯周病のリスクが高まることが明らかになった。
●男性で「喫煙者」は約3.3倍、「家庭および家庭以外の場所で受動喫煙経験のある非喫煙者」は約3.6倍