「平成23年歯科疾患実態調査」によると、若年性においては歯肉に所見のある者は少ないが、高齢になるにつれ歯肉に所見のある者が増え、45〜49歳の年齢階級層で約87%を示し、最も高い率となっている。働き盛りの年齢層(35~69歳)ではほぼ80%以上を示す。
歯周病の罹患状況は、64歳以下における4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は減少傾向にあるものの、65歳以上では増加する傾向がある。このことは、各年齢階級層における現在歯数が増加し、調査対象歯がより多く存在したためと推測される。
「平成23年歯科疾患実態調査」をもとに、歯肉に何らかの症状が見られる患者数を推定すると約9,400万人となる。しかし、実際に歯科診療所で治療を受けている患者は、約260万人である。平成11年での受診者が約120万人であったことを考えれば倍増しているものの、総患者数からするとまだまだ少ない。この数字の差から、「歯周病であることに気づかないでいる人」や「気づいていても治療しないでいる人」がいかに多いかがわかる。今後さらなる受診率の改善が望まれる。