未治療の歯周病があり、適切な治療を受けていない人がインプラントを入れると、うまくインプラントが生着しないばかりか、炎症が起きてインプラント周囲炎になりやすいことがわかっています。
鶴見大学のグループは、インプラントと天然歯の両方がある患者さんの口の中から代表的な6つの歯周病菌を取り出して調べました。その結果、インプラント周囲の歯周ポケットから検出される細菌と、天然歯から検出される細菌で同じ種類のものが多いことがわかりました。
また、天然歯の歯周病が進行している人では、悪玉菌と呼ばれる病原性の高い歯周病菌、レッドコンプレックスの3種(P.g菌、Tf菌、Td菌)が目立って多いという結果が得られたのです。さらに同一の歯周病菌を詳しく調べると菌株が高い確率で一致。これらのことから、天然歯の歯周病菌が唾液を介してインプラント周囲に感染し、炎症やインプラント周囲炎の引き金になっていることが考えられるのです。